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パタヤ日記(6)
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<5日目>
私は小鳥のさえずりとともに目を覚ました。
U氏はまだ夢の中の様であった。
私は一杯の日本茶を飲むためお湯を沸かす事にした。
その湯沸かし器はコンセントと棒が付いている物であり、U氏と一緒に横浜の東急ハンズで買ったものであった。
コップに水を入れ棒をコップに入れてからコンセントを差し込む、すると2分くらいでコップの水が沸騰するのである。
とても便利な物であり旅にはかかせない物となっている。
一杯のお茶をすすり、カーテンを開けるとU氏もベットから起きてきた。
残りの朝食券も今日を含めて一人2枚となっていた。
私たちはいつもと変わりなく朝食をとりにレストランへ向かった。
もちろん、今日もみそ汁持参である。
朝食をすませると、U氏と今日はまずどこへ行くかを話し合った。
丸一日いれるのも今日が最後であった。
私たちはホテルの前のパタヤビーチへ行く事にした。
別にパタヤビーチでは特に何もする事も無い。
ただ焼く事に専念した。
そう、U氏はどうか分からないが、私は旅の目的の一番は日焼けをする事である。
今まで何回も海外へ旅行に出かけているが、海の無い所へは一度も行った事が無いのである。
私たちはビーチチェアーに寝そべり、そろそろ終わりに近ずくこのパタヤの旅を楽しみながら、このゆっくりと流れるひと時を楽しんでいた。
私たちは日に焼けた肌を冷やすためにホテルのプールへ戻り、泳ぎ、焼き、泳ぎ、焼けた肌を冷やした。太陽もホテルの建物に遮られ、日があたらなくなっていた。
私たちは部屋へ戻る事にした。
部屋に着くとシャワーを浴びた後に、パタヤの最後の夜をどの様に過ごすかを話し合った。
U氏は行きたい所があると言う。
私はU氏が行きたい所があれば最後の旅を楽しんでもらおうと思っている。
そう、旅のパートナーとは二人が同じ所は行きたいのであれば一緒に行き、一人だけが行きたいのであれば、その人に合わせて行くのではなく、お互い自由に行動するのが旅のパートナーであると思っている。
その点U氏と意見が一致して同じ所へ行く事もあるが、私は真面目な人間であるためU氏と同じ場所に行けない事が多かった。
その時は同じ所へ行かなくても、自分が行きたい所へ行きお互いにその旅を楽しめばよいのではないかと思う。
そして二人は同時にホテルを出て2nd Roadに出てタクシーをつかまえる事になった。
しかし、二人は同じタクシーに乗る事はない。
なぜならU氏はノースパタヤへ向かい、私は久しぶりにヘブン博物館を訪れるからであった。
行き先の異なる二人が別々のタクシーに乗り込みホテルを後にした。
私はヘブン博物館のだいぶ手前でブザーを鳴らしタクシーを降りた。
そう言えばこの近くにほとんど人の入らない音楽のテープを売っている店があったのを思い出したからである。
私はその店を見つけ店の中へと入った。
そこはおばちゃんが一人レジの会計をしており、その店の奥には幼稚園の制服を着た少女が遊んでいた。
私はこの前、ヘブン博物館へ行った時、タイではやっている音楽の名前を書いてもらった本をおばちゃんに見せた。
その本には5つの歌の名前が書いてあり、そのうちの1つのカセットテープがこの店にあるが、後はCDで、この店には無いとおばちゃんが言ったので、そのテープ「nat
sugar free」を買った。
私の本にはタイ語で書いてあるので、このテープと一致しているかは私には分からなかった。
交差点を渡り、私はヘブン博物館を訪れた。
中に入るや否やこの前に会ったムウと目が合い話しをすることにした。
先ほど買ってきたテープと、ムウに書いてもらった音楽の名前が書いてる本を見せると、このテープは、5つの名前が書かれているものの中の4つ目のテープである事が分かった。
私はこの子といると心が安らいだ。
別に好みのタイプと言うわけではない。
それはなぜか、話をしているうちに気が付いたのであった。
それは彼女の話は全てに対して一生懸命であり、私に分かる様にタイ語、英語、ジェスチャーをして、私に対して理解を求めているからであった。
私が分からないと言っても、繰り返し、タイ語、英語、ジェスチャーを交えて訴えかけているからであった。
その一生懸命さを見ていると、それに答えようとしてタイ語、英語、ジェスチャーで答えるのであった。
私は一つタイ語で分からない単語があったため、彼女に質問をした。
「チンチン・アライ?」「English Please?」と尋ねた。
すると彼女は「シュアー」と答え「S・U・R・E」と繰り返した。
"本当"という意味であった。
それが本当かどうかは私には分からなかったが、楽しい一時を過ごせたのは本当であった。
前にも言ったが、ヘブン博物館にはタイ語とタイの文化を学びに来ているのだ。
そして2時間後に外に出た。
時計を見るとU氏とのホテルの待ち合わせの時間まで、あと10分ほどであった。
私は急いでタクシーをつかまえホテルへと戻った。
ホテルヘ戻るとU氏との待ち合わせ時間に5分ほど遅れていた。
私はフロントでRoom Noを告げると、キーを渡された。
U氏は部屋にはいないのであった。
部屋に戻ると一枚のメモが床においてあった。
そのメモはU氏からのものである。
そのメモにはこのように書かれていた。
"時間になっても鯖井田さんがこないので、サウスパタヤにでも行って飯でも食うかもしれない。byサバーイ大臣"と書かれていた。
ちょっとの差でU氏はこの部屋を出たのであった。
そう、U氏は少しの時間も待つことができなかったのである。
そして今日は最後のパタヤの夜なのだから、"さすがわサバーイ大臣と言われるだけのことはある"と思った。
私はそのメモに"5分ほど遅れたたがU氏は行ってしまったので私もパラディアムへ行ってから、サウスパタヤへ行く予定です。by鯖井田ヒロシ"とメモを残し部屋を出た。
私は迷わずパラディアムのある方へと向かうタクシーに乗り込んだ。
まず腹が減っていたので赤門へ行き、ビールとカツ丼を頼んだ。
本当はビアーシンの小が良かったが、この店にはビールの小はないのである。
大は飲めそうに無かったので生ビールにした。
カツ丼はかなり大味であり、ビールはすべて飲んだが、カツ丼は半分近く残してパラディアムのタイ式マッサージへと向かった。
店に入ると従業員が10人くらいしかいなかった。
最後の夜なのだから、ましな子を選びたかったが選択の余地はなかった。
そしてお金をを払う前に誰にしようか考えていると、私の後ろで「お決まりですか?お客さん」と日本語で私に話しかける声が聞こえた。
思わず振り向くとU氏ではないか。
U氏はちょうどマッサージを終え、店を出る時に私を見つけたのである。
まさに偶然である。
この広いパタヤで自由に歩き回って偶然に逢ったのであった。
せっかく逢ったのだから行動を共にしたかったが、私は夕食を済ませたがU氏はまだであり、さらにU氏には最後の夜であるから余計に行きたい所があった。
私も最後の夜にタイ式マッサージで体を癒したいため、U氏とここで別れることになった。
U氏は一人店を出て、暗闇に消えていった。
私がU氏と話をしているうちに従業員が増えていた。
そこでその中から一人を選んで1時間だけマッサージを受けた。
最後の夜のタイ式マッサージを受け私はこのパラディアムを後にした。
タクシーに乗りBaby A Go Go へ行くことにした。
店に入るや否や、どちらかというと日本人ぽい女の子が私の隣に座ってきた。
日本語も少し話すこともできた。
私たちが座っている場所は風通しがよく寒かったので、奥の席にグラスを持ち移動する事になった。
ありきたりの会話を楽しみ、30分ぐらいそこにいたであろうか。
私は「Tomorrow」と言い、彼女は「また来る?」と言い、私は繰り返し「Tomorrow」と言い店を出た。
彼女に、明日また来ると嘘を言ったのだ。
彼女は悪くはなかったが、私には明日はないのである。
そう、明日はとうとうバンコクへ戻る日であり、今夜が最後のパタヤの夜であった。
時計を見るともう24:00を回っていた。
私はタクシーに乗りホテルへと向かった。
ホテルに戻ったが、もちろんU氏の姿はなかった。
私の書いたメモもそのまま残っていた。
しばらくしてU氏はいつもの通りサッパリとした顔をして戻って来たのは言うまでもない事であった。